相続

遺留分とは何か?わかりやすくイラストと事例を用いてポイントを説明します

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遺言書を作成するときに、必ず念頭に置かなくてはいけない遺留分。遺留分というものはどのようなものか、ポイントとなる4つのことをおさえながら、事例とイラストをふまえてわかりやすくご説明します。

遺留分が問題となるのは「遺言書が残されたとき」

「遺言者長谷川太郎は全財産を、妻長谷川はなに相続させる」

遺言者太郎さんとはなさんの間に子はいません。しかし太郎さんは再婚で、前妻との間に健一さんと直子さんという2人の子がいます。このような遺言がある場合、健一さんと直子さんは太郎さんの子であるにもかかわらず、なにも相続できないのでしょうか?

答えはNOです。民法では遺言によって法定相続分を下回る相続分となった場合に、一定の割を請求できる「遺留分」という制度があります。健一さんと直子さんは、はなさんに対し遺留分減殺(げんさい)請求することにより、遺産の一部をもらうことができるのです。

遺留分は兄弟姉妹や甥姪にはない

遺留分が法律で認められているのは、残された親族の生活の保障のためといわれています。このため、遺留分を請求できるのは直系血族(子や孫、親や祖父母)のみであり、兄弟姉妹やおじおば、甥姪は遺留分を請求することはできません。

遺留分割合 相続人パターン 各相続人の遺留分割合
1/2 1. 配偶者のみ 配偶者1/2
2. 直系卑属(子や孫)のみ 直系卑属(子や孫)1/2 
3. 配偶者と直系卑属(子や孫)

配偶者1/4 

直系卑属(子や孫)1/4 

4 .配偶者と直系尊属(親や祖父母)

配偶者1/3

直系尊属(親や祖父母)1/6 

1/3 5. 直系尊属(親や祖父母)のみ 直系尊属(親や祖父母)1/3 

先ほどの、健一さんと直子さんは上記3のパターンです。子である健一さんと直子さんの遺留分は4分の1。これを人数で割った8分の1が各自の遺留分となります。

遺留分は請求することにより生じる権利

遺言のない相続の場合、どこかに何かを申し出なくても、相続が発生することにより、当然に法定相続分で相続する権利が生じています。ところが遺留分は「請求して初めて発生する」権利なのです。このため健一さんと直子さんが、遺留分を受け取りたい場合、妻のはなさんに対して「私はあなたに遺留分を請求する」と伝えなくてはいけません。これを「遺留分減殺請求」といいます。

 

遺留分減殺請求の期限は知ったときから1年

遺留分の請求には期限があります。遺留分は、自分の相続分を侵害する遺言書の存在を知ったときから1年以内に請求しなくてはいけません。1年以内に請求しない場合は、権利が消滅してしまいます。相続発生から10年経過した場合も、権利が消滅します。

このため「遺言の存在を知ってから1年以内に請求した」という証拠を残すためにも、遺留分減殺請求は「相手にいつどんな内容の書面を送ったか」が記録に残る内容証明便で送るのです。

遺留分減殺請求書の書面サンプル

遺留分減殺請求書サンプル(シルク司法書士事務所)のサムネイル

遺留分で争いになるのは支払う価額

遺留分は法律で定められた相続人の権利であるため、請求されたら支払う必要があります。このため、遺留分で争うということは、支払う金額を争うということになります。下記が遺留分を計算方法です。

少々難しく感じられるかもしれませんが、相続財産から遺留分を請求する人の遺留分額をだして、請求する人にも相続分や生前贈与がある場合、それを差引するいうことになります。

①対象となる相続財産=亡くなった人が有していた財産+生前に贈与された財産-亡くなった人が有していた債務(借金)

②遺留分額=①の相続財産×遺留分割合×法定相続分

③遺留分侵害額(請求する額)=②遺留分額-遺留分権利者が相続で取得した財産額-遺留分権利者が相続により引き継ぐ債務額-遺留分権利者が受けた特別受益や遺贈の価額

先の遺言をうけ健一さん遺留分請求をする場合、太郎さんから生前に贈与などの特別受益をうけていないということであれば、③の計算は不要です。太郎さんの①の財産が8000万円だった場合、8000万円×遺留分割合1/2×健一さんの法定相続分1/4=1000万円、健一さんが遺留分としてはなさんに請求できる額は1000万円となります。

遺留分計算の大きなポイントは①の相続財産がいくらなのか、③の生前贈与などの特別受益があったのか、という点でしょう。不動産がある場合は、「時価」「公示価格」「路線価」「固定資産評価額」と、どの価格を適用するか争いになることもあります。また、葬儀代などを控除してほしいというような要望がでることもあるでしょう。

遺留分請求とその支払について、当事者同士の話し合いがこじれた場合は、裁判所へ遺留分減殺請求の調停を申立をして、裁判所を通じての話し合いに進むことになります。調停でもまとまらない場合は、訴訟を申立をして和解もしくは判決で決着をつけます。

司法書士ハセガワ
遺留分についてご説明させて頂きました。残された相続人が困ることないよう、遺言書を作成するときには遺留分に十分に配慮しなくてはいけません。遺留分について気になることや、ご相談がある場合は、どうぞ当事務所にお問合せください。

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