相続人が10名以上いる相続手続きはどのように進めていけばよいですか?
生涯独身の叔父が亡くなりました。7人兄弟のうち5人がすでに他界しており、代襲相続が発生しているため、私を含め相続人が全部で12人います。住んでいるところは全国各地、皆バラバラです。海外に住んでいる相続人もいます。このような場合はどのように相続手続きを進めていけばよいのでしょうか?
相続人が多い相続手続きの進め方
相続人が多い場合は、代表者が財産目録と遺産分割案を書簡やメールなどで送り、確認や調整を行いつつ協議をまとめていくという方法で進めていくことが多いです。
最終的に、遺産分割協議書の内容を全員が理解して納得の上で署名押印することが重要であり、その過程や方法に決まりはありません。相続人全員が集まらなくても遺産分割協議は進めることができるのです。
1人につき1枚の紙に署名押印をする遺産分割協議証明書方式で
遺産分割協議書は連名方式で相続人全員が1枚の書面に署名押印していくのが原則ですが、相続人が海外に住んでいる・相続人が多いなど1枚の紙に全員の署名押印を集めることが難しい事情がある場合は、「遺産分割したことを証明します」という形式で、連名ではなく1人が1枚の紙に署名押印する遺産分割証明書形式を用いれば、書類を回す必要がありません。
銀行の手続きは代表者を定めて払戻をする
銀行の相続届などには、原則は相続人全員の署名押印が必要です。相続届などの手続き書類は連名方式となっていますが、払戻を受ける代表者を定め、遺産分割協議書(遺産分割協議証明書)を添付すれば、相続する人や代表相続人だけの署名押印でも足りるとされます。
払戻をうける代表相続人を定め、その後に代表相続人からそれぞれの相続人に遺産を分配する場合は、提出する遺産分割協議書に代表相続人を定めている旨を記載する必要があるのでご注意ください。銀行によっては、払戻先となる代表相続人の口座情報を遺産分割協議書に記載するよう求めるところもあります。
相続人が多い相続登記や相続手続きは司法書士にご依頼ください
相続人が多い相続手続きは、集める戸籍も多く何かと手間がかかるものです。書類作成や手続きに誤りがあると、相続人すべてに連絡をしたり訂正印をもらうなど、大変な手間が発生してしまうこともあります。また、遺産分割協議証明書で作成する、払戻を受ける代表相続人を定めるというような方法を用いることでスムーズに進めることができるのですが、専門家ではないとなかなか気づけない部分もあるかと思います。
当事務所の相続手続きおまかせプランでは、戸籍収集・財産目録の作成・遺産分割協議書の作成・相続登記、銀行の相続手続きと相続手続きをトータルにサポートさせて頂きます。相続人が多い相続手続きをスムーズに進めたいという場合は、相続手続きに精通した当事務所までご相談下さい。
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