相続 相続手続き

社長である父や夫が亡くなったとき家族が必ず理解しておくべき相続の要点

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「社長である父や配偶者が突然亡くなった」という場合、残された家族はいったいどうすればよいのでしょうか。会社の登記と相続は司法書士の専門分野です。会社の経営のことがよくわからないご家族でもわかるように、社長の相続についてわかりやすく要点を説明します。

相続人は「社長」ではなく「株式」を相続する

会社の社長が亡くなった場合、相続人は社長という役職を相続するものと思っている方が少なくないようです。しかし、社長に相続が発生した場合、相続人が相続するのは、社長が所有している会社の「株式」です。会社の備品やお金はすべて会社のものであるので、社長の遺産ではありません。

社長は会社を経営する取締役のうち会社を代表する人のことです。法律では代表取締役といいます。(以下、社長のことは「代表取締役」と呼びます。)代表取締役が亡くなると「死亡による退任」をすることになり、次の代表取締役を選びなおす必要があります。代表取締役を選ぶ方法は、株主総会の決議・取締役の互選(取締役同士の話し合い)・取締役会の決議など、会社のルールを定めたその会社の「定款」に記載されています。

取締役は株主総会の決議で選ぶものであり、株主総会による議決は多数決なので、株を多くもっていれば好きな人を取締役に選び、さらには代表取締役にすることができます。このため小さな会社では株主は、代表取締役一人のみであったり、代表取締役と親族のみであることが多いです。株主が自分や親族のみであれば、誰にも反対されることなく自分を代表取締役とすることができるからです。

 

有限会社について

2006年(平成18年)5月1日の会社法施行により有限会社の制度は廃止され、それまでに設立された有限会社は「特例有限会社」という株式会社となりました。(特例)有限会社は「役員の任期がない」「決算公告が不要」という点が株式会社と異なる点ですが、基本的な会社の仕組みは株式会社と同様です。このため、有限会社の社長の相続についてもこのページで説明していることがあてはまります。

3つのケース別 代表取締役が亡くなったらどのような手続きをすればよいのか

代表取締役兼株主が所有している会社の株式も、銀行の預貯金や不動産と同様に、遺産として遺産分割協議の対象となります。

「誰が株を相続するか」という遺産分割協議が成立しないと、株主が確定しないため株主総会を開くことができず、会社を動かすことができません。やむを得ず遺産分割協議前に株主総会の議決権を行使したい場合は、相続分の過半数の同意を得て相続人の代表者を定めて、代表者が議決権を行使するかたちをとります。

なお、遺産分割協議にあたり亡くなった方の会社の株式に「いくら」の財産価値があるか(会社の株価)は、税理士や会計士による専門的な計算が必要となります。

1.相続人が会社を継いで代表取締役になりたい場合

亡くなった代表取締役の子など相続人が会社を継ぎたいという場合は、会社を継ぎたい相続人が亡くなった人が持っていた株式を相続して、株主総会等で自分が取締役および代表取締役に選ばれるようにします。株主総会の決議をするには株式の過半数が必要ですので、株式を相続したい相続人が複数いる場合は「誰が何株相続するか」は慎重に検討しなくてはいけません。

2.相続人が経営にかかわりたくない場合

会社は他の取締役等により経営を続けていくが、相続人は会社経営に興味がないので株式を手放したいという場合は、株式を会社に買い取ってもらうか、他の株主や第三者に譲渡することになります。これには会社のルールや方針を確認する必要があるため、まずは他の取締役や株主等に相談しましょう。

代表取締役の選任を、株主総会ではなく「取締役の互選(取締役同士で話し合い)」や「取締役会の決議」というルールにしており、取締役が定款等で定める数を満たしている会社であれば、残る取締役の中から代表取締役を選任することもできます。

3.会社をたたみたい場合

故人の代で会社は終わりにしたい、というときは会社をたたむ「会社の解散と清算」を行うことになります。一人株主が代表取締役であるいわゆるひとり会社の場合は、このケースの検討が多いでしょう。株主兼社長が亡くなっても、法人税の納付義務と決算申告義務が自動的に消えることはないからです。

会社をたたむときにも、会社をつくるするときと同様に法務局への登記申請を行う必要があります。また、会社名義の借金、取引先への支払い、固定資産等などがある場合はお金の清算が必要です。専門家に依頼する場合は、お金まわりの確認や処理を税理士が行い、司法書士が登記申請を行うことになります。

なお、会社の解散には「清算人」が必要です。通常この清算人は従前の取締役が就任しますが、ひとり会社などで他の取締役がいない場合は、株式を相続した相続人が株主総会を開いて清算人を選任する必要があります。この清算人に資格等はありません。代表取締役が亡くなったひとり会社を解散・清算したい場合は、相続人やご親族等の関係者のどなたかが清算人に就任して手続きを進めていくことが多いでしょう。

また、債務超過などにより会社の破産手続きを行いたい場合は新しい代表取締役を選任して手続きを進めることになります。

個人事業主の場合

亡くなった方が個人事業主だったという場合は、個人が所有していた不動産、預貯金、設備等すべてが相続対象となります。ただ、注意しなくてはいけないのは、個人の「事業」に相続という概念はないため、亡くなった方が営んでいた事業を相続人が継ぎたいという場合は、継ぐ相続人が税務署に新たに「開業届」を出す必要があります。

会社の借金はどうすればよいか

本来、会社と個人は別人格であるため「会社の借金=個人の借金」ではありません。しかしながら日本においては、代表取締役が個人として、会社の借金を「連帯保証」しているケースがほとんどです。連帯保証契約というのは、「借主(債務者)が払えない場合にかわりに私が払います」という契約です。

そして厄介なのは、この連帯保証もマイナスの相続財産として相続の対象となることです。つまり亡くなった方が会社の借金の連帯保証人であった場合、相続人は相続放棄をしない限りは、会社が借金を払えない場合は相続人がかわりに借金を支払う義務あるということなのです。

また、代表取締役の自宅などの不動産が会社の借金の担保に入っているということもあります。不動産が担保に入っている場合は、会社の借金を返さないと不動産が差押えをされて競売にかけられてしまう可能性があります。不動産が担保に入っているかどうかは、法務局で取得できる不動産の登記事項証明書(登記簿)で確認することができます。

 

会社で借金の支払いを続けていく場合

亡くなった代表取締役兼株主が会社の連帯保証人になっていたが、会社は続けていく予定で借金も返していくという場合は、原則は新しく代表取締役兼株主になる人が連帯保証人の立場をつぐことになります。担保や保証人の変更については、融資元の金融機関等にご連絡・ご相談ください。

会社の借金が支払えない場合

会社に支払い能力はなく、連帯保証人の相続人としても借金を支払うことができない、という場合は裁判所を通じた相続放棄を検討することになります。裁判所より相続放棄申述が認められれば、連帯保証人の立場は相続されないので借金は一切支払う必要はありません。しかしながら相続放棄をすると、亡くなった方の自宅や預貯金等プラスの財産も相続することができません。

会社の連帯保証人となっているために、相続放棄を検討する場合はプラスの相続財産がどれだけあるか、担保不動産や社長以外の連帯保証人の有無などを確認した上で、判断することになります。

相続放棄は相続発生を知ったときから3ヶ月以内に行う必要があります。もし先に自宅や預貯金の名義変更等、財産の処分行為にあたる行動をとってしまうと、相続をみとめたことになり相続放棄ができないこともあるため、慎重な行動が求められます。相続放棄をご検討の場合は、すみやかに司法書士や弁護士にご相談されることをおすすめします。

以上、社長が亡くなった場合、何を確認して誰に相談すればよいのか、ということを会社の経営に携わっていない方でもわかるようにご説明させて頂きました。小さな会社の社長さまはご自身で会社経営のすべてを担っていることが多く、突然お亡くなりになられた場合は、残されたご家族の方が途方にくれてしまうケースが多々あります。

社長に相続が発生した場合、司法書士は具体的に以下のようなご相談やご依頼に対応することが可能です。もし身近に頼れる専門家がいない場合はどうぞ当事務所へお気軽にお問合せください。

こんなときは司法書士にご相談ください

  • 代表取締役や取締役の役員変更登記をおこないたい
  • 会社の株式もふくめ、相続手続きや遺産分割協議書の作成をサポートしてほしい 
  • 会社の借金が多いので相続放棄を検討したい 
  • 税理士と連携して会社の解散と精算すすめたい
  • 事業承継に備えて遺言を残しておきたい 
社長の相続についてのご相談について

社長の相続の相談に際しては会社の「定款」「登記事項証明書」「株主名簿」を確認しないと個別具体的なご相談をお受けすることは難しいです。ご相談の際は、可能な限りこの3点をご用意頂くようお願い申し上げます。

  • 定款 会社内に保管されていることが多いです 定款の見本(日本公証人連合会のHPへリンク)
  • 登記事項証明書 いわゆる会社の登記簿のこと。誰でも法務局で取得することができます。
  • 株主名簿 確定申告書の添付書面であるため、前年の確定申告書の写しを探すのがよいかと思います。

また、会社をたたむこと(解散・清算等)をご検討の場合で会社の所在地が当事務所より遠方にある場合は、税理士や弁護士など他の専門家の関与も必要となる可能性があるため、地元の司法書士・税理士・弁護士に相談されることをおすすめします。

【初回60分は相談料0円】無料相談をお気軽にご利用下さい!

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