相続放棄

相続放棄の期限とは?3ヶ月とはどこからどこまでをいうか

投稿日:2017年10月4日 更新日:

相続放棄と3ヶ月の熟慮期間

相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知ったときから」3ヶ月以内に行う必要があります。

この3ヶ月を法律用語では「熟慮期間」とよびます。この3ヶ月以内に、相続をするか、相続放棄をするか決めなさいということなのです。相続をすると決めた場合、「私は相続します」とどこかに宣言する必要はありません。しかし、相続放棄をする場合は家庭裁判所に書類を提出して(相続放棄の申述)、相続放棄を裁判所に認めてもらう(審判を下してもらう)必要があります。

相続放棄は一度認められたら、「やっぱりやめた」と簡単には取消できない仕組みです。このため相続放棄は大変慎重に行う必要があります。

熟慮期間はどこからはじまる?

熟慮期間は「自己のために相続の開始があったことを知ったときから」はじまります。「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」の具体例は以下です。

  1. 身近な親族で、臨終に立ち会っている。亡くなった日に連絡がきた。→相続発生日(亡くなった日)
  2. 疎遠な親族で、亡くなったことを後日に親族などの連絡で知った。→親族から連絡がきた日
  3. 消息不明の親族で、亡くなったことを業者や役所からの書面(手紙)で知った。→書面が届いた日
  4. 前順位の相続人が相続放棄をしたことにより、相続人になったことを知った→前順位の相続人が相続放棄をしたことを知った日

法律上は、たとえ相続の発生日から3ヶ月が経過していても、2や3のような事情であれば相続放棄をすることができます。

ただし、裁判所の考え方としては、相続放棄をするのであれば「相続が発生した日から3ヶ月以内におこなう」ことが原則であるため、2や3のようなケースで相続発生日から3ヶ月を経過している場合の相続放棄は、裁判所はより慎重に検討や確認を行う傾向があります。

4のケースにおいては、前順位の相続人の相続放棄が認められた日(相続放棄申述受理日)から3ヶ月を超えた相続放棄は、より慎重に検討や確認が行われます。

なお、2~4のケースでは、知った日の証拠である手紙やメールなどが残されていると相続放棄の手続きがスムーズです。

3ヶ月を超えていても相続放棄ができることがある

「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月を超えている場合でも、過去の判例をもとに、相続放棄ができるケースがあります。これは以の3つに当てはまる場合は、「相続財産(マイナスの財産、借金)を知ったとき、が3ヶ月の起算点とされています。

  • 亡くなった人に相続財産が全くないと信じていた
  • 相続財産の調査を期待することが著しく困難であった
  • 亡くなったに相続財産が全くないと信じたことについて相当な理由がある

例えば「疎遠にしていた実家の母が亡くなったが、相続人である父や兄からは『母には相続財産はない』と言い切られていたため相続財産はないと信じていたし、手続きをしないことにも特に疑問を抱いていなかった。しかし、実は母は知人の連帯保証人になっていて、亡くなった半年後に知人の破産により連帯保証の請求をうけた」というような例が考えられます。(もう少し複雑な事情や背景がありましたが、過去にこのようなケースで相続放棄が実際に認められたことがありました)

「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月を超えている相続放棄は事情を裁判所に理解してもらうように上申書を綿密に作成する必要があります。裁判所からの確認も通常より細かいものとなります。これらの書面や回答次第で相続放棄が認められるか決まりますので、必ず司法書士や弁護士へ相談・依頼することをおすすめします。

【昭和59年4月27日最高裁判所第二小法廷判決】三か月以内に限定承認又は相続放棄をしなかつたのが、被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて当該相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があつて、相続人において右のように信ずるについて相当な理由があると認められるときには、相続人が前記の各事実を知つた時から熟慮期間を起算すべきであるとすることは相当でないものというべきであり、熟慮期間は相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべき時から起算すべきものと解するのが相当である。

3カ月以内になにをどこまですればよいのか?

では、「相続放棄は3ヶ月以内に」といいますが、これはなにを3ヶ月以内に行えばよいのでしょうか?それは、相続放棄をしたい場合は「相続放棄申述書」を裁判所に提出すればよいのです。これは窓口での提出でも、郵送でもかまいません。

例えば上記1のケースで、1月1日に亡くなった人の熟慮期間は翌日の1月2日から起算し、3ヶ月後の3月1日の終了時までとなります。3月1日の裁判所の営業時間内に提出できればよいと考えればよいでしょう。

窓口の場合は、混雑や手続き案内の時間も考慮にいれる必要がありますし、郵送は速達等を利用しても万が一の遅延や事故リスクもあるため、当日ぎりぎりでの提出はおすすめしません。

相続放棄申述書には亡くなった人の戸籍謄本や、相続放棄をしたい人の戸籍謄本を添付します。戸籍謄本は本籍地のある役所でしか取得することができないため、思い立ったその日に相続放棄申述書の提出をするのは難しいケースもあります。また、亡くなった人と相続人の関係が兄弟姉妹や甥姪である場合は、相続関係を証明するためにより多くの戸籍謄本を収集する必要があります。

3ヶ月の期限を伸ばすことができる!?~相続の承認又は放棄の期間の伸長~

「相続の承認または放棄の期間の伸長」という制度があります。

これは3ヶ月以内に財産調査がおえることができない場合など、3ヶ月以内では相続をするか、相続放棄をするか、判断できない事情があるときに利用されるものです。伸長の申立をすることによって3ヶ月の熟慮期間さらに3ヶ月伸ばすことができます。

なお、伸長には理由が必要であり、申立をすれば必ずも認められるというものではありません。また、よほどの理由がない限りは3ヶ月超えの伸長や、再伸長は認められない傾向にあるようです。

The following two tabs change content below.
シルク司法書士事務所 代表司法書士 <東京司法書士会第5785号 簡裁訴訟代理等関係業務認定会員認定第1101063号> 明治大学卒業後、一般企業を経て2010年司法書士合格。不動産登記専門の事務所・相続専門の事務所で経験を積み、2017年渋谷区笹塚にてシルク司法書士事務所を開業。詳しい自己紹介はこちら

【初回60分は相談料0円】無料相談をお気軽にご利用下さい!

このサイトを運営するシルク司法書士事務所はJR・各線新宿駅から1駅、京王線・都営新宿線笹塚駅近くにある、相続や登記を得意とする認定司法書士長谷川絹子の事務所です。(詳しい事務所紹介はこちら

「相続や登記は初めてのことでよくかわからない」「どれくらいお金がかかるか不安」「どこに相談や依頼をしようか迷っている」という方は、まずは当事務所の無料相談をお気軽にご利用頂き、ご検討頂けばと思います。ZOOMなどを利用したオンライン相談にも対応しています。

 「忙しいのでなかなか時間がつくれない」「司法書士に相談や依頼するべきことかわからない」という方は、どうぞ遠慮なくお電話やメールでお問合せ・ご相談下さい。

少しでも多くのお客様の「ほっ」の声が聞けるように、「思い切って問い合わせてみたよかった」と思っていただけるように、丁寧でわかりやすいことを心がけております。ご相談やお問い合わせは必ず司法書士本人が対応しますので安心してご連絡ください。

相続登記なら相続や不動産の登記に強いシルク司法書士事務所|東京都渋谷区 TOPへ戻る

【相続・遺言・登記】記事 一覧へ

シルク司法書士事務所の相続・登記取扱いサービス

相続登記 相続による不動産の名義変更

相続登記と銀行の相続手続き

相続放棄代行、3ヶ月超え相続放棄

贈与登記、家や土地の名義変更

遺言作成、公正証書、自筆証書

抵当権抹消、住宅ローン完済

シルク司法書士事務所 
代表司法書士 長谷川絹子(東京5785)
151-0073 東京都渋谷区笹塚2丁目1番10号 スカイプラザ笹塚505
電話 03-4563-8500 お問合せはこちら

-相続放棄
-

Copyright© 相続登記なら相続や不動産の登記に強いシルク司法書士事務所|東京都渋谷区 , 2021 All Rights Reserved.