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戸籍謄本の取り方や見方など相続手続きに必要な戸籍の知識総ざらい

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年金や保険の手続き、相続登記や銀行の相続手続き等、相続において様々な場面で提出を求められる「戸籍」。ここでは、この戸籍の種類や請求の方法、見方など相続手続きに取りかかるにあたって確認しておきたい、戸籍についての知識や情報を確認します。

1.そもそも戸籍制度とは?戸籍のキホン

戸籍はもともとは徴税や徴兵のために設けられた制度であり、日本人が出生から死亡するまでの身分関係(出生・結婚・離婚・養子縁組・死亡など)について日付とともに記録して証明します。

本籍地

戸籍は、自宅住所がある地ではなく本籍を置いている地(本籍地)を管轄する市区町村役場で保管されています。本籍をどこに置くかは自由であり、本籍地=自宅住所である必要はありませんが、自宅住所は又は実家住所を本籍地とする人がほとんどです。

本籍地は地番(法務局で振られている土地の番号)、または住居表示(いわゆる住所)の街区符号までとされているため、例えば「渋谷区笹塚二丁目1番10号」を本籍地にするとき、本籍地は「渋谷区笹塚二丁目1番」となります。

筆頭者

戸籍の筆頭者とは、戸籍の一番最初に登録されている人のことです。結婚する夫婦が夫の氏を名乗るときは夫、妻の氏を名乗るときは妻が筆頭者となります。住民票の世帯主とは異なり、筆頭者は死亡しても変わりません。また、子は結婚すると親の戸籍からでて新しい戸籍を作成します。最終的に死亡や婚姻などで戸籍の中に誰もいなくなると、戸籍は閉鎖(除籍)されます。

一般的には、婚姻している人は夫婦の戸籍に入っており未婚の人は親の戸籍に入っています。離婚した人は、自分を筆頭者とした戸籍を持つ人と親の戸籍に戻る人とがいます。

戦前の戸主制度

夫婦を基本としている現在の戸籍制度と異なり、戦後の民法改正以前は戸主制度といって、一家の代表である「戸主」の戸籍の中に、複数の家族・親族が入っており、さらに戸主が死亡や隠居により代わると戸籍も新しく作成されるという「戸主」を基本とする仕組みでした。

2.戸籍の証明書の種類

戸籍謄本と戸籍抄本の違い

戸籍の証明書を戸籍謄本(とうほん)といいますが、謄本いうのは「写し(コピー)」であるということを意味します。戸籍謄本とは戸籍の原本の写しということです。かつては戸籍の紙の原本が市区町村役場で保管されており、その写しを発行して証明書とするため戸籍謄本と呼ばれていましたが、現在は、紙の戸籍が電子(データ)化され書式もかわったため、戸籍について発行される証明書の正式名称は「戸籍全部事項証明書」となりました。しかしながら、実務上は「戸籍全部事項証明書」も「戸籍謄本」と呼ばれています。

戸籍謄本・戸籍全部事項証明書は戸籍に記載されている方全員の証明であり、戸籍抄本(しょうほん)・戸籍個人事項証明書とは、戸籍に記載されている方のうち請求対象者のみを証明するものです。

相続手続きにおいて戸籍謄本と戸籍抄本どちらをとればよいのか、という点については「相続に関係ない人の情報はどうしてもみられたくない」というような事情がない限りは、抄本ではなく謄本を取得をすることが多いです。

戸籍謄本・除籍謄本・改正原戸籍とは

戸籍謄本(戸籍全部現在事項証明書)

コンピュータ化された戸籍の証明書、横書きの書式です。

除籍謄本(除籍全部事項証明書)

除籍とは死亡・転籍(本籍地をかえること)や結婚等により戸籍に入っていた人がいなくなった、閉鎖された戸籍のことです。この除籍謄本が必要となるのは戸籍に残っている最後の一人が亡くなった場合などです。

改正原戸籍(はらこせき)

コンピュータ化される前の戸籍の証明書、縦書きの書式です。戸籍のコンピュータ化は平成6年より順次行われたため、市区町村によっていつからコンピュータ化された時期は異なります。

戸籍の附票

戸籍単位で記録されている住所履歴についての証明書(サンプルはこちら

3.戸籍をさかのぼるとは?出生から死亡までの戸籍とは?

戸籍は、婚姻や転籍、法改正などにより新しい戸籍がつくられます。そして、前の戸籍で抹消された事項は新しい戸籍には引継ぎされません。

例えば、戸籍の筆頭者である長谷川太郎さんに相続が発生したため、太郎さんの相続人である子は何人いるか調べようする場合。転籍や戸籍のコンピュータ化前に、結婚等により太郎さんの戸籍から出ていった子たちは、太郎さんの死亡が記載されいている最新の戸籍謄本には記載されていないのです。また太郎さんが現在の妻とは再婚である場合。前妻との子については、離婚時にその子が母親の戸籍に入った場合は、前婚姻時の戸籍までさかのぼらないとその子の存在に気づくことはできません。このため「相続人となる子や兄弟は誰か?これで全員か?」と確認するために出生まで戸籍をさかのぼるのです。

また本籍地が異動になっている場合は、従前の本籍地で戸籍謄本を請求しなくてはいけません。昔の人は一家が転居をするごとに本籍地を異動することも多く、このため「戸籍をたどる」ということが求められるのです。

4.戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)の見方

「除籍」の説明をするため、この画像は除籍謄本(除籍全部事項証明書)をサンプルとしています。戸籍謄本(全部事項証明書)も除籍謄本(除籍全部事項証明書)も書式や見方は同じです。

※画像をクリックするとPDFファイルが開きます。

戸籍謄本サンプルのサムネイル

5.相続手続きに必要とされる戸籍謄本には2パターンある

相続手続きに必要とされる戸籍は以下の通り2パターンあります。

  1. 相続が発生と、手続きや請求をする方がその相続人であることを確認できる戸籍謄本
  2. 相続の発生と、その相続人全員が確認できる戸籍。謄本

①は年金の手続きや銀行の残高証明書の請求などで求められます。請求者が相続人であることがわかる戸籍謄本が必要となります。②は遺言のない銀行の相続手続きや法務局での相続登記で求められます。相続人全員の相続関係がわかる戸籍謄本が必要となります。必要とされる戸籍謄本は、次のように亡くなった方と相続人との関係(続柄)によって異なります。

配偶者が相続人のみの場合(妻が相続人であることを証明する戸籍謄本)

①相続人であることを確認できる戸籍

  • 被相続人の死亡が記載されている戸籍謄本

②相続人全員が確認できる戸籍

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

第一世代 子や孫(直系尊属)が相続人の場合(子や孫が相続人であることを証明する戸籍謄本)

①相続人であることを確認できる戸籍

  • 被相続人の死亡が記載されている戸籍謄本
  • 相続人の現在の戸籍謄本
  • 【相続人が孫の場合】亡くなった子(孫の親)の死亡が記載されている戸籍謄本

②相続人全員が確認できる戸籍

  • 相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 【相続人が孫の場合】亡くなった子(孫の親)の、出生から死亡までの戸籍

第二世代 直系卑属(父母や祖父母)が相続人の場合(父母や祖父母が相続人であることを証明する戸籍謄本)

①相続人であることを確認できる戸籍謄本

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人に子がいた場合は、子の死亡が記載された戸籍
  • 【相続人が祖父母の場合】被相続人の両親の死亡が記載されている戸籍謄本

 ②相続人全員が確認できる戸籍謄本

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人に子がいた場合は、子の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の現在の戸籍 謄本
  • 【相続人が祖父母の場合】被相続人の両親の死亡が記載されている戸籍謄本

第三世代 相続人が兄弟姉妹・甥姪の相続(兄弟姉妹や甥姪が相続人であることを証明する戸籍謄本)

①相続人であることを確認できる戸籍

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人の両親の死亡が記載された戸籍謄本
  • 被相続人に子がいた場合は、子の死亡が記載された戸籍謄本
  • 相続人の現在の戸籍謄本
  • 【相続人が甥姪の場合】本来の相続人である被相続人の兄弟姉妹の死亡が記載されている戸籍謄本

※死亡した父母の死亡年齢や生年月日によっては、祖父母・曽祖父母の死亡の記載がある戸籍も必要

②相続人全員が確認できる戸籍

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人の両親の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人に子がいた場合は、子の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 【相続人が甥姪の場合】本来の相続人である兄弟姉妹の出生から死亡までの戸籍謄本

※死亡した父母の死亡年齢や生年月日によっては、祖父母・曽祖父母の死亡の記載がある戸籍も必要

6.戸籍謄本の請求方法

戸籍謄本の請求先

本籍地のある市区町村に請求します。市民課や戸籍課など、戸籍の証明発行業務を扱っている役所の窓口で発行してくれます。本籍地がわからない場合は、本籍地記載の住民票を取得すると本籍地がわかります。なお、住民票のある(住んでいる)市区町村で、戸籍を求することができません。

戸籍謄本を請求できる人

戸籍謄本を請求できるのは本人・配偶者・直系血族(親子・孫・祖父母等)およびその代理人が原則です。請求の際には、身分証明書で本人確認が求められます。また、請求する戸籍には自分との親族関係が記載されていない場合は、ご自身の戸籍謄本等、親族関係を証明する戸籍が必要となる場合があります。代理人が請求する場合は、委任状が必要です。

なお、相続が発生した場合は戸籍法10条の2第1項(自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するため)により、配偶者・直系血族ではなくとも相続人であれば、亡くなった方や他の相続人等の戸籍を取得することができます。これには相続が発生したことや相続関係を証明する戸籍の提示が必要となります。

戸籍の郵送請求

郵送で戸籍謄本を請求したい場合は、以下のものを送付します。支払については、銀行振込みやクレジットカード払いは対応してませんのでご注意下さい。

  • 申請書 窓口もしくはホームページより入手します
  • 手数料 郵便定額小為替証書。郵便局で購入します。現金書留対応していることろもあります。
  • 請求者の身分証明書(運転免許証や保険証等)のコピー
  • 返信用封筒
  • 相続人の代理の場合は、委任状

戸籍制度は「家」という単位で記録・管理する独特の仕組みであり、日常では利用する機会もないため、相続手続きを進めるにあたり戸籍を取得したり戸籍を読むことは、一般の人にとってなかなかとっつきにくいものです。さらに戦前生まれの方の相続においては、かつての戸主制度や戸籍様式の変化、時には旧民法も理解した上で戸籍を読み解く必要があります。

また、戸籍謄本(戸籍全部現在事項証明書)は本籍地のある市区町村役のみでしか発行されないため、遠方の本籍地がある場合や何度も本籍地が何度も変わっている場合は取得そのものに手間がかかります。相続手続きのためご自身以外の戸籍を取得するには、相続(親族)関係の証明が求められます。戸籍を取得するために、戸籍を提示する必要があるのです。

戸籍取得にあたっては、このように数々の面倒や手間があるのですが、戸籍は日本において相続人関係を確認・証明する唯一の制度であるため、相続手続きにおいては欠かすことができません。

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