相続

自分で相続登記はできる?流れと必要書類を確認

投稿日:2018年4月20日 更新日:

相続登記(相続による不動産の名義変更)はどのように手続きを進めていくのでしょうか?

ここでは、ご自身での手続きを検討されている方の参考にもなるように、遺言書がないため遺産分割協議を行うケースでの相続による名義変更に必要な手続きの流れと、必要書類を細かくご説明します。

遺産分割協議書と印鑑

1.相続する不動産の調査

地番の確認

不動産の登記申請では、不動産の場所を「住所(住居表示)」ではなく法務局で割り振られている「地番」で申請します。地番は、登記済権利証(又は登記識別情報)や登記事項証明書(登記簿)で確認できます。もし、地番がわかる資料がない場合は、管轄の法務局で、住所を伝えれば地番を教えてくれます。

住居表示と土地の地番の違い

登記事項証明書の取得

登記事項証明書を取得して不動産の現状確認をします。登記事項証明書は不動産の所在にかかわらず、全国各地の法務局で取得できます。なお、オンラインシステムである登記情報提供サービスが提供されており、登録をすれば一般の方でも利用することができます。

登記事項証明書では以下のようなことを確認します。

所有者の登記上の住所や氏名

所有者の登記上の住所や氏名が、亡くなった方の最後の住所と異なる場合は、そのつながりを書類で証明する必要があります。(詳しくは5を確認ください)

共同担保目録で所有不動産の確認

共同担保目録では、現在もしくは過去にあわせて担保に入っていた土地や建物を確認することができ、見落としがちな私道やゴ三置き場などの共有地などを発見することができます。

抵当権が設定されているか

抵当権が残っており、まだ完済していない場合は借入先金融機関で債務者の変更(債務の相続)手続きが必要となります。すでに完済しているのに登記が抹消されていない(下線がひかれていない)場合は、抵当権抹消の手続きが必要です。

2.相続人の調査

相続人を確定するために以下の戸籍を、本籍地のある自治体で取得します。相続人が多い場合や、相続関係が複雑な場合は、5で紹介する相続関係説明図のようなものを作成しながら戸籍収集を進めていくとわかりやすいでしょう。

申請書の添付書面となる相続関係を確認するために必要な戸籍

  • 被相続人(亡くなった方の)出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人の子が孫が先に亡くなっている人がいる場合は、その子や孫の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本

相続人が直系尊属(父母・祖父母等)の場合

  • 相続人と同じ代の直系尊属が亡くなっている人が場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍謄本

相続人が兄弟姉妹や甥姪の場合

  • 被相続人父母の出生時から出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本
  • 兄弟姉妹で先に亡くなっている人がいる場合は、その兄弟姉妹の出生時から死亡時までのすべての戸籍謄本
  • 甥姪で先に亡くなっている人がいる場合は、その甥姪の死亡の記載のある戸籍謄本
参考記事
戸籍謄本の取り方や見方など知識総ざらい

3.遺産分割協議(話し合い)

誰が遺産である不動産を相続するか話し合います。他の遺産がある場合は、それらもふくめて、誰がなにをどれだけ相続するか話し合い遺産分割内容を確定させます。

参考記事
協議前に知っておきたい4つの遺産分割方法について

4.遺産分割協議書の作成・署名押印

3で話し合った内容を記載した遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書は相続人全員で原本を1枚でも、相続人の人数分原本を作成、押印してもどちらでもかまいません。遺産分割協議書には必ず相続人全員の署名および実印での押印をします。また、このときあわせて相続人全員の印鑑証明書を集めます。

参考記事
遺産分割協議書の書き方のコツ(書式あり)

5.添付書面(必要書類)の取得・最終確認

相続登記の申請書の添付書面(必要書類)

戸籍謄本および相続関係説明図

集める戸籍謄本は上記2の通りです。戸籍謄本一式の原本を返却してもらいたい場合は、このような相続関係説明図を作成します。(法務局webサイトより)

相続関係説明図

亡くなった人の住民票の除票もしくは戸籍の附票

法務局では、登記上の住所と亡くなったときの最後の住所とが一致していることをもって、亡くなった人がその不動産の所有者であることを確認します。
登記上の住所と最後の住所が異なる場合で、住民票除票の転入元住所では登記上の住所が確認できない場合は、住所の履歴が記載されている本籍地で戸籍の附票(サンプル画像はこちら)を取得します。

戸籍の附票を取得しても住所がつながらない場合、保管期間を過ぎてしまって戸籍の附票がとれない場合は、管轄の法務局に相談の上、指示された書類(登記済権利証・納税証明書・不在籍不在住証明書・相続人全員からの上申書など)を用意します。

遺産分割協議書

相続人全員の印鑑証明書 

不動産を相続する相続人の住民票もしくは戸籍の附票

対象不動産を相続する人の氏名住所を登記簿に記載するため、住所を証明する住民票もしくは戸籍の附票が必要です。

固定資産評価証明書

固定資産評価証明書は登録免許税の計算のため必要となります。東京23区内は都税事務所、ほかの市区町村では市区町村役所の固定資産税課などで発行してもらえます。

6.登録免許税の計算

所有権移転や抵当権の設定など、法務局に登記申請をするにあたっては,法律で定められた登録免許税を納付する必要があります。同じ所有権移転登記でも、売買や相続など原因によって税率が異なります。相続による所有権移転(相続登記)は課税価格の1000分の4の割合となります。

相続登記の登録免許税

課税価格×1000分の4(100円未満切り捨て)

課税価格は、固定資産の価格(固定資産評価証明書に「本年度価格」「○○年度価格」「評価額」と表記されている価格、「固定資産税課税標準額」ではありません。)のうち1000円未満を切り捨てたものです。

相続登記の登録免許税の計算

 

7.申請書の作成

登記申請書を作成します。ご自身で作成される場合は、法務局の雛形を参考にされるとよいかと思います。

不動産登記の申請書様式について

(法務局公式webサイトへリンクします)

21)所有権移転登記申請書(相続・遺産分割)の記載例PDFをご確認下さい。

申請書や添付書面の作成については、当事務所で無料相談はお受けしておりません。ご紹介した法務局の雛形について確認や質問がある場合は、管轄の法務局にお問合せ下さい

8.印紙の購入、申請書の提出(申請)

管轄の法務局へ登記申請書一式を提出します。法務局の窓口で提出する場合は、法務局の窓口付近にある印紙販売所で登録免許税分の印紙を購入して、白紙に貼付します。印紙を貼った紙は申請書とつづって契印します。

申請書のまとめ方

登記申請書の綴り方

書類の原本返却について

遺産分割協議書や印鑑証明書、住民票などは原本返却をしてもらうことが可能です。必要となる書類のコピーを作成し,そのコピーに「原本に相違ありません。」を記載して署名押印します。添付書面の原本還付の方法

9.補正への対応

登記申請では提出受付時に書面のチェックをするという仕組みはなく、提出後に法務局で登記官が審査することになります。

申請書や添付書面に不備があった場合は、提出後に法務局から申請書に記載した連絡先電話番号に連絡があり、法務局の指示に従い対応することになります。

10.完了書類の受取

登記完了は、法務局の繁忙具合により異なりますが、たいてい申請日から10日前後で完了します。「完了しました」というお知らせがくることはないので、完了予定日(法務局の窓口もしくは法務局のwebサイトで確認できます)が過ぎたら法務局へ、新しい権利証(登記識別情報)や還付書類等の完了書類一式をとりに行きます。

郵送返却を希望した場合は、郵送で書類が送られてきます。書類を受け取ったら手続き完了です。

12.登記事項証明書の取得(登記簿の確認)

登記事項証明書を取得して、確かに名義変更がされているか確認します。

登記申請についてよくある質問

Q:申請書はどこの法務局に提出すればよいのですか?

不動産はその所在により、法務局の管轄が異なります。たとえば東京都渋谷区の不動産を管轄するのは東京法務局渋谷出張所であり、埼玉県川口市の不動産を管轄するのはさいたま地方法務局川口出張所です。不動産の申請は、法務局ごとにおこなう必要があるため複数不動産の名義変更をする場合はご注意下さい。法務局の管轄はこちらをご確認下さい。(法務局のWEBサイトが開きます。)

Q:申請書のチェックはどこかでしてくれますか?

A:登記手続きに関する案内は管轄の法務局で、予約制で受付しています。ただし相談ではなく案内であるので、申請書の雛形を渡してもらえることはありますが、申請書や添付書面を作成してくれるということはありません。

登記申請では、書類提出後に書類を登記官が審査するという形式となっており、書類に不備あった場合は「補正」といって、不備をただす機会が与えられます。この補正は郵送で書類を送付するだけですむこともあれば、法務局に出向かなくてはいけないこともあります。

Q:インターネットで申請することはできますか?

A:法務局により登記オンライン申請システム(登記ねっと)が無償で提供されています。しかしながら、上記2で紹介した登記情報サービスとは異なり、利用にあたっては事前登録や電子証明書の取得が必要であるため、一般の方が利用するには難しい環境となっています。(e-TAXよりもさらに利用のハードルが高いものかと思います。)

Q:郵送で申請することはできますか?

A:郵送で登記申請書および添付書類を送付することはできます。この場合は、登録免許税相当分の印紙を事前に購入して、登記申請書とあわせて送る必要があります。

面倒なこと、大変なことはすべて相続と登記のプロ、司法書士におまかせ下さい!

このように何かと面倒な手続きですが、一般の方が不動産の登記手続きをするのは人生で1・2回。苦労して手続きをしてもその経験が次の役に立つということはほとんどありません。むしろ「前回の相続のとき、自分でやって大変だったので今度は専門家に初めからお願いしたい」というご依頼が大変多いのが実情です。

また、途中までご自身で手続きを進められていたけれど、途中で嫌になってしまったり、法務局で「このケースは司法書士に依頼したほうがよいですよ」とアドバイスされ、相談に来られる方も多くいらっしゃいます。

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シルク司法書士事務所 代表司法書士 <東京司法書士会第5785号 簡裁訴訟代理等関係業務認定会員認定第1101063号> 明治大学卒業後、一般企業を経て2010年司法書士合格。不動産登記専門の事務所・相続専門の事務所で経験を積み、渋谷区笹塚にて個人からの相続・登記業務のご依頼を主とするシルク司法書士事務所を開業。丁寧できめ細やかな対応がお客様の支持を受けている 詳しい自己紹介はこちら

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