「司法書士さんて仕事の内容のわりに報酬安すぎますよね」と他士業さんに言われてしまう司法書士。そんな司法書士業務の中でも、相場自体が安くなりすぎではと感じるのが会社設立と抵当権抹消です。会社設立については、他士業や企業参入により競争激化しているという事情があります。設立登記の申請代理できるのはあくまで司法書士と弁護士だけなのですが、あの手この手があるわけでして・・・
一方抵当権抹消は、司法書士がやるか自分でやるか、ほぼ2つに1つの選択です。
抵当権抹消とは何かと説明しますと。
マイホームなど不動産を買うときには、ほとんどの方が銀行などでローンを組みます。ローンは借金、返済ができなくなった場合に備えて銀行は不動産を担保にとります。つまりは、不動産に抵当権を設定するわけです。これにより第三者でも、法務局で登記事項証明書(いわゆる謄本とか登記簿)をとれば、その不動産が担保に入っているかどうか一目瞭然です。そして月日を経てローンが完済できると、担保がはずれます。つまり抵当権を消すことができるのです。これを抵当権抹消といいます。
担保にいれるときは、銀行が手取り足取り案内してくれます。ところが担保をはずすときは、銀行から書類をバサッと渡され「登記は自分で法務局で行うか、司法書士を探してくださいね」なのです。あっさりしております。
この一般的な抵当権抹消の司法書士報酬の相場は1万円代。(※住宅ローンを最近完済した、書類が全て揃っているケースです)
お客様から書類預かって確認して、本人確認して委任状にハンコもらって、申請書つくって、必要書類に記入して、法務局に申請して、登録免許税納付して、完了したら謄本とって、お渡しする書類整えて、お客様にお渡して、とかかる時間とかける気遣いとを考えると司法書士的には1万円代は割安なのですが・・・相場が固まっておりインターネットの世界に情報が浸透しているため、相場を超えた金額を設定することは難しくなっております。
抵当権抹消は、不動産売買の際に所有権移転登記や抵当権設定登記とあわせて行われることも多く、そこでは主役の登記ではないので控えめなのかもしれせん。売主からすると「よくわからないけれど払わなくてはいけない費用」という感もあるので、1万円くらいでさっと財布から出してもらえる金額がよいのでしょう。また売主さんが、不動産を買って××して売るという仕入れ業者である場合「うちの抵当権抹消の費用は勉強しといてな」といわれることも。司法書士にとって仕入れ業者さんは、「買うとき」「売るとき」と1つの不動産で2度案件のあるお得意様なのでご要望を受け入れるとが多いです。
最近はネットで検索すると司法書士報酬5000円代を打ち出されているところもありますが、どういう仕組みで採算をとっているのか不思議なことろです。今のところは、よほどシステムを作りこまない限りAIにおまかせできるという性質の業務ではないと思うのですが何か秘策があるのでしょうか。
何が言いたいかといいますと、司法書士への抵当権抹消依頼は「司法書士さんて仕事の内容のわりに報酬安すぎますよね」といわれてしまう司法書士業務の中でも特にコスパよしなので、ローンを完済した方で平日お忙しい方は是非司法書士にご依頼くださいね!ということです。
シルク司法書士事務所の抵当権抹消サービスは、インターネットでかんたんオンライン申込。ご自宅に届いた返送用の封筒に書類を入れてポストへ投函・郵送すればOK!あとは司法書士におまかせ頂けます。
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